オリンピックルージュ

リュージュ競技では、選手が時速150km以上のスピードで氷上のコースを滑走し、反射神経とバランスを駆使してソリを操る。2026年のミラノ・コルティナ冬季オリンピックを前に、リュージュの基礎知識・基本ルールを押さえておこう。

スイス生まれのリュージュの歴史は16世紀にまで遡る。冬季スポーツの中でも最も長い歴史を誇るスポーツだが、オリンピック競技として初めて採用されたのはインスブルック1964であった。このときは、男女のシングルスとダブルスが実施された。混合団体リレーはソチ2014で追加され、女子ダブルス種目はミラノ・コルティナ2026で初めてオリンピック種目として実施される。1976年以降、ボブスレーと同じトラックで行われている。

男子・女子シングルス選手は同じトラックで競技を行い、それぞれ2日間で4本の滑走を行う。計測は1000分の1秒単位で行われ、4本の合計タイムが最も速い選手が勝者となる。なお、女子は男子より低いスタート地点から滑走する。

男子・女子ダブルスダブルスは1日で競技が行われ、各ペアは2本の滑走を行う。合計タイムが最も速いペアが金メダルを獲得する。

チームリレーソチ2014で初めてオリンピック種目となったチームリレーは、女子シングル、男子シングル、女子ダブルス、男子ダブルスの4種目で構成される。最初に女子シングルの選手が滑走し、ゴール地点にあるタッチパッドに触れると、次の男子シングルのゲートが開く。ダブルスの選手が最後に滑走し、すべての選手がゴールした時点で、合計タイムが最も速いチームが優勝となる。

リュージュは冬季オリンピックで最も「速い」競技である。選手は機械式ブレーキのついていない小さなソリの上で仰向けになり、足を前に伸ばした姿勢で、氷上トラックを時速150km を超える猛スピードで滑走する。ソリの下にある刃（ランナー）はボブスレーやスケルトンのものより鋭利で、コントロールはより難しい。コーナーでは6Gの重力がかかるが、選手は最大限のスピードを維持するために身体をリラックスさせなければならない。ミラノ・コルティナ2026では、リュージュ競技は5種目が実施される。